脳科学から見る子供の成長

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そもそも、脳って何でできてるんでしょうか。脳は神経細胞の塊です。神経細胞とは、電気信号を発して情報をやりとりする細胞です。その数は脳全体で千数百億個にもなると言われています。
神経細胞は、遺伝情報が書かれたDNAを含む核やエネルギーをつくり出すミトコンドリア、そして神経細胞の特徴とも言える長い軸索と細かく分岐した樹状突起から構成されています。

樹状突起と軸索

樹状突起は他の神経細胞から電気信号を受け取っています。その電気信号は軸索を通って次の神経細胞に伝達されます。

シナプス

軸索の末端にはシナプスとよばれる膨らみがあります。このシナプスは次の神経細胞と密着しているのではなく、シナプス間隙(かんげき)と言われる数万分の1mmほどのすき間があります。この隙間をどう電気信号は伝達するのかという疑問が生まれます。ドーパミンやアドレナリンなど聞いたことがあると思います。実は電気信号は、これら神経伝達物質および神経修飾物質と呼ばれるもの化学物質として分泌されます。そして神経伝達物質が、次の神経細胞の細胞膜にある受容体に結合し、また電気信号が生じるという流れです。なお、シナプス間隙の伝達にかかる時間は0.1〜0.2ミリ秒といわれています。

神経伝達物質

  • ドーパミン
  • セロトニン
  • ノルアドレナリン
  • アセチルコリン etc

神経伝達物質は現在数十種類確認されています。

樹状突起と軸索

樹状突起は他の神経細胞から電気信号を受け取っています。その電気信号は軸索を通って次の神経細胞に伝達されます。

脳と神経細胞

脳内では使わない神経回路は衰弱や消滅し、使われる回路は強化され生き残ると言われます。

子どもが3歳になるまでに 脳の発達がほぼ完了する。 新生児の脳の細胞は多くの成人が「何が起こっているか」を知る ずっと前に増殖し、シナプスによる接合が急速に拡大して、終生のパターンが作られる。-中略-子ども時代の初期では親や家族やその他の成人との間の経験や対話が子どもの脳の発達に影響し、十分な栄養や健康や綺麗な水などの要因と同じくらい影響力を持つ。この期間に子どもがどのように発達するかが後の学校での学業の成否を決め、青年期や成人期の性格を左右する。[引用 :ユニセフ 2001世界子供白書]

子供の脳の成長

脳の成長はどのように行われるのでしょうか。成人と同じ140億個の脳細胞(ニューロン)が受精から生誕までの10ヶ月で作られると言われています。誕生後神経回路やシナプスがものすごいスピードで作られていきます。シナプスは外界の刺激や、自分自身の経験を積むほど増えていき、1個のニューロンから8,000にもおよぶシナプスがあるといわれています。つまり脳全体のシナプスの数は112兆という想像もつかない数になります。そして3歳までに大人の80%、6歳までに大人の90%まで成長します。そして12歳で100%になると言われています。いかにその時期に脳細胞を成長させるかが幼児教育の鍵となります。量ではなく子供が知りたい、覚えたいと思う情報を教え、自発的にインプットすることで脳細胞や大脳は発達すると言われています。そのためにはまずは子供に多くを経験させ、子供自身が何に興味を持つか、様子をみることが必要になることでしょう。そしてその分野をグンと伸ばすことで、きっと大人になったときに大いに役に立ちます。

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