ゲーム×学びの新常識!Minecraft教育版の効果とは
コラム
はじめに
「ゲームって、結局は遊びでしょ?」
――これは多くの保護者の方が感じている正直な疑問です。
勉強の時間を削ってまでゲームをやらせていいのか、本当に学びにつながるのか…そんな不安を抱えるのは当然のことです。
でも、ちょっと待ってください。

結論から言うと、「Minecraft Education Edition(マインクラフト教育版)」は、
遊びながら学びを自然に引き出す、まさに「学びの入口」となる教材です。
子どもたちが夢中になるゲームという体験の中に、論理的思考力・創造力・協働性など、将来に必要な力がしっかり育まれていきます。
「子どもに本当にプログラミングが必要なのか?」と悩まれる方には、こちらの記事もおすすめです。
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「遊び」の中で育つ3つの力
Minecraft Education Editionは、ただのゲームではありません。
遊びの中に、未来を生きる力を育む仕掛けがちりばめられています。ここでは、特に育まれる3つの力に注目してみましょう。
論理的思考力・問題解決力の向上
オーストラリアの研究
2019年、オーストラリアのクイーンズランド工科大学(QUT)のデジタルメディア研究センターは、Minecraft: Education Editionが数学教育に与える影響を調査しました。
- 対象: クイーンズランド州内の6校(都市部および地方部)から、307人の生徒と14人の教師が参加。
- 期間: 3か月間の実施。
- 内容: 生徒は、Minecraft内で代数や面積・体積に関する課題に取り組みました。
- 結果: 生徒の数学的理解と自信が著しく向上しました。
この研究は、Minecraftの3Dサンドボックス環境が、面積や周囲長、パターン、比率、座標などの数学的概念を視覚的かつ操作的に学ぶのに適していることを示しています。
数学教育における効果
Minecraft Education Editionは、以下の点で数学教育に効果的であると報告されています。
- 空間的推論能力の向上: 生徒は、Minecraft内での建築活動を通じて、体積や面積の計算、幾何学的構造の理解を深めます。
- 問題解決能力の育成: オープンエンドな課題に取り組むことで、生徒は自ら問題を発見し、解決策を考案する力を養います。
- 学習意欲の向上: ゲームベースの学習環境は、生徒の興味を引き、積極的な学習態度を促進します。
これらの研究結果は、Minecraft Education Editionが数学教育において、論理的思考力や問題解決力を自然に育む有効なツールであることを示しています。
探究心と主体性の育成

アアイルランドのプロジェクト「Ireland’s Future is MINE」
アイルランド全土で展開された教育プロジェクト「Ireland’s Future is MINE」では、Minecraft Educationを活用したプロジェクトベースの学習が行われました。
- 対象:全国の小学校から選抜された生徒約600名(うち6年生30名を中心に詳細調査)
- 期間:約4か月間の実施
- テーマ例:
- 持続可能な街づくり(SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」)
- 自然災害に強い地域の設計
- 歴史的建造物の再現プロジェクト
この活動では、生徒たちはMinecraft内で「理想の未来の町」を設計・建設し、公共施設・交通・エネルギー・環境配慮といった視点を自ら考え、作品として形にしていきました。
成果と学習効果
以下のような効果が報告されています。
- 協働性の向上:グループでの設計・建設により、役割分担・合意形成・意思疎通の力が育まれた
- 創造性の発揮:想像したものを自由に形にすることで、創造的思考が活性化
- 没入型学習の実現:実社会の問題を題材にすることで、生徒の関心と主体性が高まり、授業外でも活動を続ける生徒が続出
- プレゼン能力の向上:プロジェクトの成果を保護者や他校に向けて発表する機会が設けられ、説明力や発信力も強化された
このように、Minecraft Educationは、ただのゲームを超えた「探究的な学び」の場となっており、子どもたちの内発的な動機づけを引き出す強力なツールとして注目されています。
協働性と対話力の育成

「2030年のクラスとライフレディ学習」調査
Microsoftが実施した「2030年のクラスとライフレディ学習」調査では、教育における社会的・情緒的スキル(SEL)の重要性が強調されています。この調査には、カナダ、シンガポール、英国、米国の教師2,000人と生徒2,000人が参加しました。その結果、将来の仕事の最大40%が明示的な社会的・情緒的スキルを必要とすることが明らかになりました。
また、調査では、協働プラットフォーム、混合現実(MR)、AIによる分析が、社会的・情緒的スキルの発展と個別化された学習アプローチを支援する有望な技術として挙げられています。
Minecraft Education Editionの活用
Minecraft Education Editionは、協働性と対話力の育成に効果的なツールとして注目されています。このプラットフォームを活用することで、生徒は共同でプロジェクトに取り組み、チームワークやコミュニケーション能力を自然に身につけることができます。
例えば、複数の生徒が同じワールドで町や施設を一緒に作る際、役割分担や相談、譲り合いといった「対話の力」が必要となります。このような活動を通じて、生徒は協働性や創造性を高めることができます。
3. ゲーム×STEMで育つ理数力
Minecraft Education Editionでは、「C」キーひとつでCode Builder が起動し、MakeCodeブロックエディタからPythonやJavaScriptにワンクリックで切り替え可能です。
実際にどんなパソコンを使えば良いか分からない方は、こちらのガイドもご参考に。
現役講師が選ぶ プログラミング・学習に最適!子ども向けPCのスペック完全ガイド

毎年開催される「Hour of Code」では、AIと倫理をテーマにした公式ワールドが提供され、60分でアルゴリズム→実装→デバッグまでを体験できます。
- 最新の「Hour of Code: Generation AI」では、AIの社会的影響や倫理的課題について学びながら、MakeCodeブロックまたはPythonを使用してプログラミングの基礎を習得できます。
詳細はこちら

また、気候変動のシミュレーションや化学反応の可視化など、300本以上のSTEM教材ワールドが公開されており、理科や数学の単元と簡単に統合できます。
さらに、教師ガイドや評価ルーブリックが付属しており、専門外の教員でも即日導入できるカリキュラム構成となっている点も高く評価されています。
4. 世界が注目、日本でも広がる教育活用
世界ではNY市・ウェールズ・アイルランドなど自治体規模でMinecraft Educationが採用され、遠隔合同授業でも協働学習を実現しています。日本ではGIGAスクール構想によりMicrosoft 365 A3/A5が整備され、追加費用なしで導入できる環境が急増。京都・立命館小学校の世界遺産再現プロジェクトや、東京都立新宿山吹高校の校舎VR制作など、教科学習とグローバル協働を融合した事例が続々報告されています。

参考画像:Minecraft: Education Edition|YouTubeスクリーンショット
5. 将来につながるプログラミングの次のステップ

Minecraft Educationは「ブロック→Python→他言語」へ段階的に学べる設計です。
ブロックとPythonを並列表示して構文を視覚化できるため、抽象的なコードの意味を直感的に理解できます。公式カリキュラムは200時間超を提供し、MakeCode APIで外部ツール連携にも挑戦可能。
座標系・イベント駆動思考はUnity(C#)やRoblox Studio(Lua)でも共通し、米国の高校ではUnity移行後にスクリプト理解度が20%向上したと報告されています。
このように段階的に学べる設計は、Scratchから本格的な言語へステップアップを考えているご家庭にも非常に有効です。
もう迷わない!Scratchの次におすすめのプログラミング言語と成功する学び方5ステップ
まとめ
「ゲームで学ぶなんて、本当に意味があるの?」
そんな疑問は、Minecraft Education Editionの実例を知ることで、大きく変わります。
本教材は、子どもたちが自然に熱中できる「遊び」の体験をベースにしながら、
論理的思考力・探究心・協働性といった、これからの社会を生きるうえで不可欠な力を育てていきます。
特に、STEM(科学・技術・工学・数学)との親和性は高く、
コードエディタの導入からAI開発の初歩まで、段階的にスキルを深められる設計も大きな強みです。
世界中の学校で実績を重ねてきたこの教材は、今や日本でも広がりを見せ、
「ゲーム=無駄」ではなく、「ゲーム=可能性」という新しい視点を私たちに与えてくれます。
これからの教育に求められるのは、知識の詰め込みではなく、
自ら問いを立て、他者と協働しながら未来を切り開いていく力です。
Minecraft Education Editionは、まさにそのための最前線に立つツールなのです。
実践的に学べる!Minecraft新コース、現在準備中!
TETRA UPでは現在、Minecraft Education Editionを活用した新しいプログラミングコースの開講に向けて準備を進めております。
このコースでは、プログラミングの基礎だけでなく、論理的思考力や創造力、協働性など、未来を生き抜くための力を育むことを目指しています。
現在、コースの詳細や体験授業の実施時期については未定ですが、ご興味をお持ちの方には、準備が整い次第、優先的にご案内させていただきます。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
他にも選べる!TETRA UPのプログラミングコース
当教室 TETRA UP では、Minecraft だけでなく、年齢や関心に合わせた多彩なプログラミングコースをご用意しています。
- Scratchコース:初心者向け、楽しみながらプログラミングの基礎を学べる
- ロボットコース:実際に手を動かしながら、ものづくりとプログラミングを体感(対面授業のみ)
- Robloxコース:ゲームを作りながら Lua 言語のスクリプトを学習
- Unityコース:本格的なゲーム開発に挑戦!オリジナルゲーム制作も可能
※Scratch・Roblox・Unity 各コースは オンライン受講にも対応 しています。
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吉田先生やよっしー、たまによしぞーって呼ばれたりしています。よろしくお願いします。