Roblox Studioで武器を作る方法【剣・殴る攻撃の実装ガイド】
コラムRoblox Studio(ロブロックススタジオ)でバトルゲームやRPGを作り始めると、子どもたちが真っ先に「先生、敵をバシッと倒せるかっこいい剣を作りたい!」「素手で殴るパンチ攻撃ってどうやるの?」と目を輝かせて駆け寄ってきます。自分のアバターが手にした武器を振って敵を倒す瞬間は、ゲーム制作の中でも格別のワクワクがあります。
しかし、いざ自作してみると、「剣のパーツを置いたのにキャラクターが拾ってくれない」「振ることはできたけれど、敵に当たっても全くダメージが入らない」「1回振っただけで敵が瞬殺されてゲームバランスが崩壊した」といった壁に必ずぶつかります。
武器づくりは、ただパーツを置くだけでは機能しません。Roblox特有の**「Tool(道具)」と「Handle(持ち手)」のルールを守り、攻撃が1コマの間に何十回も当たってしまうのを防ぐ「debounce(クールダウン)」**というプログラミング技術を組み合わせることで、はじめて思い通りの爽快な武器になります。
この記事では、教室で教えている手順そのままに、剣で斬る攻撃と素手で殴るパンチ攻撃の実装コード、そして初心者が必ずハマる3大トラブル(持てない・自分に当たる・マルチプレイで動かない)の解決法まで、分かりやすく解説します。
目次
- Roblox Studioの「武器」の仕組み(Toolとは)
- 武器を動かすために必要な3大パーツ
- 武器の基本構造を作る(Tool+Handleの組み立て)
- ステップ1:Toolオブジェクトを配置する
- ステップ2:Handleパーツを作り剣の見た目にする
- 複数のパーツを合体させるWeldConstraint
- 攻撃スクリプトを実装する
- 剣で斬るスクリプト(Touchedイベント)
- 一撃死を防ぐ!debounce(連続ヒット防止)の超重要ルール
- 応用編:武器を持たずに素手で殴るパンチ攻撃
- 作った武器をダミー人形相手にテストする
- 現場で頻出!よくある失敗と解決法
- 武器を拾えない・手に持ってくれない
- 振った瞬間に自分のキャラクターがダメージを受ける
- 友達とマルチプレイすると攻撃が効かない
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
Roblox Studioの「武器」の仕組み(Toolとは)
Robloxの世界では、キャラクターが手に持てるアイテムはすべて「Tool(ツール)」という特殊なオブジェクトで管理されています。
マップ上に普通のブロック(Part)をいくら置いても、アバターはそれを拾うことができません。「近づいて拾う」「インベントリ(持ち物欄)にしまう」「手に装備して構える」という一連の動作は、すべてToolという入れ物が担当しているからです。
武器を動かすために必要な3大パーツ
武器を成立させるには、次の3つの要素が正しい階層で揃っている必要があります。

- Tool(親の箱):武器全体をまとめるオブジェクト。プレイヤーのインベントリに入ります。
- Handle(持ち手パーツ):キャラクターの手のひらに直接接着されるPart。名前を正確に「Handle」にする必要があります。
- Script(頭脳):クリックしたときに刀を振ったり、敵に触れた瞬間にダメージを計算するプログラムコードです。
ここで一番大切なのは、「Handle」という名前の綴り(大文字のH)を絶対に間違えないことです。Robloxは「Toolの中にあるHandleというパーツを探して手にくっつける」という自動ルールを持っているため、handleやSwordHandleなど別の名前にしてしまうと、手に持ってくれなくなります。
武器の基本構造を作る(Tool+Handleの組み立て)
それでは、実際に基本となる剣を作ってみましょう。
ステップ1:Toolオブジェクトを配置する
- Explorer(エクスプローラー)の
Workspaceを右クリックし、「オブジェクトを挿入」から「Tool」を追加します。 - 名前を
ClassicSwordに変更します。
ステップ2:Handleパーツを作り剣の見た目にする
- 「ホーム」タブから直方体の「パーツ」を出し、サイズを細長く伸ばして剣の柄(または刃)の形にします。
- そのパーツをドラッグして、先ほど作った
ClassicSwordの中に入れます。 - パーツの名前を必ず**
Handle**に変更します。 - Handleのプロパティを開き、
Anchoredのチェックを外します(アンカーがついたままだと、持とうとした瞬間にプレイヤーの体が固まって動けなくなります)。
複数のパーツを合体させるWeldConstraint
「柄だけでなく、かっこいい刃や鍔(つば)をつけて本物のような剣を作りたい!」という場合は、複数のパーツを組み合わせます。

Handle以外のパーツ(例えばBladeパーツ)をToolの中に追加した場合、アンカーを外すとポロポロと地面に落ちてバラバラになってしまいます。
これを防ぐために、**WeldConstraint(溶接)**を使います。
Bladeの中に「WeldConstraint」を追加します。- プロパティの
Part0にHandle、Part1にBladeを指定します。 BladeのAnchoredを外せば、Handleと刃がガッチリ溶接されて1つの剣として手に持てるようになります。
攻撃スクリプトを実装する
武器の形ができたら、敵にダメージを与えるスクリプトを書いていきます。
剣で斬るスクリプト(Touchedイベント)
Toolの中に通常の「Script」(サーバー側スクリプト)を追加し、以下のコードを記述します。
local tool = script.Parent
local handle = tool:WaitForChild("Handle")
local DAMAGE = 20 -- 1回の攻撃力
local COOLDOWN = 0.6 -- 次の攻撃までの待ち時間(秒)
local canDamage = false
-- 剣をクリックして振ったときの処理
tool.Activated:Connect(function()
if canDamage then return end
canDamage = true
-- ここで剣を振るアニメーションを再生できます
task.wait(COOLDOWN)
canDamage = false
end)
-- 剣が何かに触れたときの当たり判定
handle.Touched:Connect(function(hit)
if not canDamage then return end
-- 触れた相手のキャラクターとHumanoidを取得
local character = hit.Parent
local humanoid = character:FindFirstChildOfClass("Humanoid")
-- 自分のキャラクター自身を攻撃しないように確認
local myCharacter = tool.Parent
if humanoid and character ~= myCharacter and humanoid.Health > 0 then
humanoid:TakeDamage(DAMAGE)
canDamage = false -- 1回のスイングで1回だけ当たるようにする
end
end)
一撃死を防ぐ!debounce(連続ヒット防止)の超重要ルール
プログラミング初心者が武器を作ると、ほぼ100%遭遇するのが「剣が敵に触れた瞬間、1秒間に60回ダメージが入ってボス敵が一瞬で爆発四散する」というバグです。

RobloxのTouchedイベントは、パーツが触れている間、ゲームのフレーム(1秒間に約60回)ごとに毎回呼び出されます。そのため、何も制限をかけないと「20ダメージ×60回=1,200ダメージ」が一瞬で入り、どんな敵も一撃死してしまいます。
これを防ぐのが、上記のコードにある**canDamageというフラグ(debounce)**です。
「クリックした直後のわずかな時間だけ攻撃判定をONにし、1回当たったら即座にOFFにする」。この一工夫を入れることで、市販ゲームのような自然で手応えのある攻撃アクションが実現します。
応用編:武器を持たずに素手で殴るパンチ攻撃
「武器を持たずに、素手の格闘ゲームを作りたい!」という場合も、実はまったく同じ仕組みで作れます。
Toolのプロパティにある**RequiresHandleのチェックを外す**と、Handleのない「透明なTool」を作ることができます。クリックしたときにプレイヤー自身の右手(RightHandやRight Arm)にTouched判定を付け、腕を振るパンチアニメーションを再生すれば、爽快な近接格闘システムが完成します。
作った武器をダミー人形相手にテストする
武器が完成したら、実際に攻撃が正しく動作するかテストしましょう。

- 武器(Tool)をExplorer上で**
StarterPack**の中に移動します(これでゲーム開始時に自動装備されます)。 - テスト用の標的として、Roblox Studio上部の「アバター」タブから「Rig Builder(リグビルダー)」を開き、標準的な人型ダミー(Dummy)をWorkspaceに配置します。
- 「プレイ」ボタンを押してゲームを開始し、ダミーに向かって剣を振ってみましょう。
- ダミーの頭上に緑色のHPバーが表示され、剣を当てるたびにゲージが20ずつ減っていけば完璧です!
現場で頻出!よくある失敗と解決法
教室で生徒たちが武器を作った際によく起こるトラブルと、その直し方をまとめました。
武器を拾えない・手に持ってくれない
- チェック①:Handleの名前は大文字で始まっていますか?
handle(小文字)、Handle(後ろに不要な半角スペース)になっていないか、もう一度文字を確認してください。 - チェック②:Handleにアンカーがかかっていませんか?
Handleの
AnchoredがONになっていると、プレイヤーが持とうとしても世界に固定されて拾えません。必ずチェックを外してください。
振った瞬間に自分のキャラクターがダメージを受ける
- 原因:自分自身の当たり判定を除外していません
剣を振った軌道が、自分の腕や頭に触れてしまうと自滅します。
スクリプトの中で必ず
if character ~= myCharacter thenを入れて、「触れた相手が自分自身ではないときだけダメージを与える」という条件分岐を設けてください。
友達とマルチプレイすると攻撃が効かない
- 原因:LocalScript(クライアント側)だけでダメージを与えようとしています

Robloxなどのマルチプレイヤーゲームでは、「自分のパソコン(クライアント)」と「全員をつなぐホスト(サーバー)」に分かれています。
自分のパソコン上だけで相手のHPを減らしても、サーバーにはその情報が伝わっていないため、相手の画面では一切ダメージが反映されません。
攻撃判定やHPの減少処理は、必ず通常の**「Script」(サーバー側)で実行するか、LocalScriptからRemoteEvent**を使ってサーバーに攻撃を通知する設計にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 攻撃が当たったときにカッコいい効果音や火花を出したいです。
Handleの中にSoundオブジェクトやParticleEmitter(パーティクル)を入れておき、スクリプトでダメージを与えた瞬間にhandle.HitSound:Play()やパーティクルを有効化することで、迫力あるヒットエフェクトを演出できます。
Q2. 剣の持ち方がおかしい(刃の部分を握ってしまう)ときは?
Handleパーツの基準面(Front/Top)がずれている場合に起こります。ToolのプロパティにあるGripPosやGripForwardの数値を微調整するか、プラグインの「Tool Grip Editor」を使うとマウス操作で簡単に握り位置を修正できます。
Q3. 連続コンボ攻撃(1撃目→2撃目→フィニッシュ)は作れますか?
作れます!クリックされた回数をカウントする変数comboCountを用意し、前回の攻撃から一定時間以内なら次のコンボモーションへ移行するスクリプトを組むことで、アクションゲームのような連続攻撃を実装できます。
まとめ
Roblox Studioで武器を作る方法について、Toolの基礎構造からコピペで動く攻撃コード、debounceによる連続ヒット防止、トラブル対策まで解説しました。
今回の重要ポイント:
- 手に持つ武器は「Tool」の中に「Handle(持ち手)」を入れて作る
- 複数のパーツを組み合わせる時は「WeldConstraint」でHandleに溶接する
- 一撃死バグを防ぐために、フラグ変数を使った「debounce」処理が不可欠
- 自滅を防ぐため、`character ~= myCharacter`で自分の体を除外する
- マルチプレイで正しくダメージを与えるため、当たり判定はサーバー側(Script)で処理する
1本の剣が思い通りに動いたときの喜びは、プログラミングの面白さを実感する最高の瞬間です。基礎ができたら、毒の継続ダメージを与える魔法剣を作ってみたり、吹き飛ばし効果をつけたりして、自分だけの最強武器作りに挑戦してみてください。
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