micro:bit(マイクロビット)で車を作ろう!おすすめキット3選と動かし方を解説
コラム「マイクロビットで車を作ってみたいけど、どのキットを選べばいいの?」「値段はいくらかかる?プログラミングは難しい?」――そんな疑問を持つお子さんや保護者の方は多いのではないでしょうか。

実際、micro:bitを使ったロボットカーは、小学生でも1〜2時間で完成させられるほどシンプルな工作です。はんだ付けも不要で、ブロックを並べるだけのビジュアルプログラミング(MakeCode)で動かせるため、プログラミング未経験の子どもでも安心して取り組めます。
この記事では、現役プログラミング講師の視点から、おすすめキット3種の最新価格・難易度・特長を比較しながら、組み立て手順からMakeCodeのプログラミング方法、ストップウォッチ応用・授業活用まで、ひとつの記事にまとめて解説します。まずは全体像をつかんでから、気になるキットを選んでみてください。
目次
micro:bit 車とは?できることを確認しよう
micro:bit(マイクロビット)は、イギリスのBBC(英国放送協会)が教育用に開発した小型プログラミングボードです。縦4cm×横5cmほどの手のひらサイズで、LEDディスプレイ・ボタン・加速度センサー・Bluetooth・ラジオ通信などが搭載されています。
このmicro:bitを「ロボットカーキット」と組み合わせると、自走する車・ロボットカーを作れます。できることを整理すると、次のようになります。
- 前進・後退・左右旋回:MakeCodeのブロックで速度と方向を制御
- ライントレース(線追跡):テープで引いたラインを自動で追う
- 障害物回避:超音波センサーで前方の壁を検知して止まる
- 無線リモコン操作:もう1枚のmicro:bitをコントローラーにしてラジコンに
- ラップ計測:タイマー機能でコースを走りきる時間を計測
「プログラムを書いたら実際に動く」という体験は、画面上だけのプログラミングとはまったく異なるリアルな達成感を与えてくれます。自由研究・学校のSTEM授業・プログラミングクラブなど、多くの場面で活用されています。
micro:bit 車キットおすすめ3選と値段比較
キット選びで迷う方のために、代表的な3製品の価格・難易度・特長を比較します。いずれもはんだ付け不要・ドライバー不要で組み立てられるため、小学生でも安心して使えます。
| キット名 | メーカー | 価格目安(本体別) | 難易度 | 特長 |
|---|---|---|---|---|
| Maqueen | DFRobot | 約3,000〜4,500円 | ★☆☆ 簡単 | 赤外線ライントレース・超音波センサー標準搭載、拡張性◎ |
| Ring:bit Car V2 | Elecfreaks | 約3,000〜3,500円 | ★☆☆ 簡単 | MakeCode公式拡張あり、無線操作対応、最安値クラス |
| Cute:bot | Elecfreaks | 約4,500〜6,000円 | ★★☆ 普通 | 超音波センサー・NFC・RGBライト搭載、発展学習向け |
Maqueen(マックイーン)
Maqueenは、DFRobotが販売する入門向けロボットカーキットです。micro:bitを差し込むだけで使えるシンプルな構造で、赤外線ライントレースセンサー・超音波センサー・RGBライトが最初から付いています。
特にライントレース機能が標準搭載されている点が大きな強みです。黒いテープをフロアに貼るだけでラインを追う動作をプログラムでき、発展課題として「自動で部屋を巡回するロボット」なども作れます。拡張ポートが多く、センサーやモジュールを後から追加できるため、長く使えるキットです。
スイッチサイエンスやAmazonで購入でき、価格はmicro:bit本体別で3,000〜4,500円前後です。
Ring:bit Car V2(リングビットカー)
Ring:bit Car V2は、Elecfreaksのエントリーモデルです。MakeCodeに公式拡張(パッケージ)が用意されており、複雑なコードを書かなくても「前進」「後退」「曲がる」がブロック一つで操作できます。
2台のmicro:bitを使ったラジコン(無線操作)にも対応しており、「1台を操縦席、1台を車載コンピューター」として使うと、無線プログラミングの仕組みを体験できます。価格は3製品の中で最も手頃な3,000〜3,500円前後で、はじめてのキットとして最もおすすめです。
Cute:bot / Tiny:bit
Cute:botも同じElecfreaksのキットで、超音波センサー・NFC・RGBアンダーライトをあらかじめ搭載した中上級者向けモデルです。障害物回避・自動ブレーキ・光の変化によるエフェクトなど、より複雑な動作を学ぶのに適しています。
プログラミング経験が少し積まれてきたお子さんや、授業で発展課題に取り組みたい場合に向いています。価格はやや高めの4,500〜6,000円前後です。
はじめてのロボットカーなら価格・シンプルさ・公式サポートの充実度からRing:bit Car V2かMaqueenを選びましょう。追加センサーで機能を増やしたい場合はMaqueen、発展学習まで一気に進みたい場合はCute:botが向いています。
micro:bit 本体の値段と購入先
micro:bit本体(v2.2)は、現在スイッチサイエンスやAmazonで3,000〜3,400円前後で購入できます。学校の授業で使う場合はすでに支給されているケースもあるので、まず確認してみましょう。
ほとんどのロボットカーキットはmicro:bit本体が含まれていません。購入前に必ず「本体込みか別売りか」を確認してください。
主な購入先:
- スイッチエデュケーション(switch-education.com):教育向け専門ショップ、日本語サポートあり
- 秋月電子通商(akizukidenshi.com):電子部品の老舗、実店舗もあり
- Amazon:送料・配達スピードを重視する場合に便利
合計費用の目安:
- micro:bit本体(約3,000〜3,400円)+ ロボットカーキット(約3,000〜6,000円)= 合計6,000〜10,000円程度
車キットの組み立て手順(はんだ不要でOK)

ここではRing:bit Car V2を例に、一般的な組み立て手順を説明します。他のキットも基本的な流れは同じです。
- パーツを確認する:ボディ・タイヤ・サーボモーター・バッテリーボックス・ネジ類がすべて入っているか確認します
- Ring:bitボードにmicro:bitを差し込む:エッジコネクタに合わせてしっかり差し込みます(向きに注意)
- サーボモーターを取り付ける:左右にサーボを固定し、ケーブルをボードのP1・P2ポートに接続
- タイヤを装着する:サーボのシャフトにタイヤを押し込みます
- バッテリーボックスを取り付ける:単3電池3本を入れ、電源ケーブルを接続
- 動作確認:電源を入れてmicro:bitのLEDが光るか確認します
Ring:bit Car V2の場合、初めてでも30〜60分で組み立てられます。説明書は英語ですが、図解が豊富で直感的に理解できます。公式サイト(Elecfreaks)には日本語を含む解説動画もあります。
MakeCodeで車を動かすプログラミング
組み立てが終わったら、いよいよプログラミングです。MakeCode(makecode.microbit.org)はブロックをドラッグ&ドロップするだけでコードが書けるビジュアルプログラミング環境です。Webブラウザだけで動くため、特別なソフトのインストールは不要です。
前進・後退・左右旋回の基本プログラム

Ring:bit Car V2の基本動作プログラムの手順を説明します。
MakeCode公式拡張を追加する手順
- MakeCode(makecode.microbit.org)を開き「新しいプロジェクト」を作成
- 左メニューの「拡張機能」をクリック
- 検索ボックスに「Ring:bit」と入力してEnter
- 「Ring:bit Car」拡張を選択して追加
拡張を追加すると「Ringbit Car」カテゴリが表示され、「前進」「後退」「左折」「右折」「停止」ブロックが使えるようになります。
基本プログラムの例(ボタンで操作)
Aボタンが押されたとき → 前進(速度:50)を1秒間
Bボタンが押されたとき → 後退(速度:50)を1秒間
A+Bボタンが押されたとき → 停止
このプログラムをmicro:bitに転送(ダウンロード)し、電源を入れれば完成です。実際に車が動く瞬間は、子どもたちが最も興奮する場面です。
ストップウォッチ・タイマーでラップ計測に挑戦
「マイクロ ビット ストップウォッチ」「マイクロ ビット タイマー」として検索される応用プロジェクトが、ラップ計測です。
MakeCodeにはrunning time (ms)(起動からの経過時間をミリ秒で取得)というブロックがあります。これを使うと、スタートからストップまでの走行時間をmicro:bitのLEDに表示できます。
ラップ計測プログラムの基本ロジック
- Aボタン押下 → 変数「スタート時刻」に`running time`を代入・車を前進
- Bボタン押下 → 変数「経過時間」=「現在時刻」−「スタート時刻」を計算・車を停止
- 経過時間をLEDに表示(例:「3456」→「3.4秒」)
フロアにテープでコースを作り、タイムを競い合うゲームとして楽しめます。複数の子どもが参加するプログラミング発表会でも大盛り上がりするプロジェクトです。
micro:bit 車の日常生活・授業への活用例(電気の利用)
micro:bitのロボットカーは、学校の授業とも深く結びついています。特に小学校6年生の理科「電気の利用」単元では、電気エネルギーを使って物を動かす仕組みを学びます。
micro:bit車は、この単元の「実験+プログラミング」の場面に活用できます。
- コンデンサで蓄電→放電で動く:電気を蓄えた後に放電してモーターを回す実験との接続
- センサーで光・温度を計測:モーターで物を動かす「電気→力学エネルギーへの変換」を体験
- プログラムで制御:「条件(センサー値)→命令(モーター動作)」という制御の基本を学ぶ
「micro:bitで作ったロボットカーは何秒でコースを走れるか?プログラムを変えると速さはどう変わるか?」というテーマは、理科的な観察・比較・考察の流れに沿った自由研究になります。工作・プログラミング・実験がひとつにまとまるため、審査員や先生からも注目されやすいテーマです。
日常生活への応用例としては、以下のようなアイデアもあります。
- 部屋の巡回ロボット:ライントレースで決まったルートを自動で周回
- ペットの様子を確認:カメラモジュールと連携した見守りロボット(上級向け)
- 荷物運びロボット:ボタン操作でテーブルの上のものを運ぶ実験
よくある失敗と対処法
micro:bit車作りでつまずきやすいポイントと対処法をまとめました。
失敗1:電源を入れてもモーターが動かない
→ バッテリーの残量を確認してください。電池が消耗していると、LEDは光ってもモーターが回らないことがあります。また、サーボケーブルがポートにしっかり刺さっているか確認しましょう。
失敗2:車が真っすぐ走らない
→ 左右のモーターの出力値(速度パラメータ)が合っていない可能性があります。左右の速度を個別に調整するブロックで微調整してください。タイヤの空気圧(ゴムの張り)が左右で違う場合も原因になります。
失敗3:プログラムが転送できない
→ USBケーブルがデータ転送対応かを確認してください。充電専用ケーブルはPCに認識されません。また、MakeCodeのブラウザをリロードするか、別のUSBポートを試してください。
失敗4:MakeCodeのRing:bit拡張が見つからない
→ 拡張機能の検索で「ringbitcar」(スペースなし)または「Elecfreaks」と入力してみてください。URLから直接追加する方法(github.com/elecfreaks/pxt-ringbitcar)もあります。
失敗5:ライントレースが途中でラインから外れる
→ テープの幅が細すぎる(最低2cm以上推奨)か、曲がり角の曲率が急すぎることが原因のケースが多いです。コースを大きめの緩やかなカーブに変えると安定します。
micro:bit 車に関するFAQ
Q1: micro:bit 車を作るのに合計でいくらかかりますか?
A: micro:bit本体(約3,000〜3,400円)+ロボットカーキット(約3,000〜6,000円)で合計6,000〜10,000円程度が目安です。キットにより大きく変わります。最安構成はmicro:bit本体+Ring:bit Car V2で約6,000〜7,000円です。
Q2: プログラミング初心者でも作れますか?
A: はい。MakeCodeはブロックを並べるビジュアルプログラミングなので、小学校低学年でも取り組めます。キットの組み立てもはんだ付け不要で、ドライバー1本あれば完成します。
Q3: micro:bit 本体はキットに含まれていますか?
A: ほとんどのロボットカーキットはmicro:bit本体が含まれていません。本体は別途購入してください。購入前に商品説明を必ず確認しましょう。
Q4: ストップウォッチやタイマーは車と一緒に使えますか?
A: はい。MakeCodeのrunning timeブロックを使えば、スタートから停車までの時間をLEDやシリアル出力で表示できます。ラップ計測やタイムアタックゲームに応用できます。
Q5: 学校の理科「電気の利用」の授業に使えますか?
A: はい。micro:bit車はコンデンサに蓄えた電気をプログラムで制御してモーターを動かす実験に活用でき、小学校6年生の「電気の利用」単元と相性の良い教材です。センサーによる制御の仕組みも体験できます。
まとめ:micro:bit 車で「作って・動かす」体験を
本記事では、micro:bit(マイクロビット)を使ったロボットカーについて、キット選びから組み立て・プログラミング・活用例まで解説しました。
重要なポイント:
- はじめてならRing:bit Car V2またはMaqueenがおすすめ(はんだ不要・MakeCode対応)
- 本体+キットで合計6,000〜10,000円程度が目安
- MakeCodeのブロックで前進・後退・旋回をすぐに動かせる
- ストップウォッチ機能でラップ計測など発展課題にも広がる
- 小学校「電気の利用」単元や自由研究テーマとしても活用できる
「作って動かす」体験は、子どもたちのプログラミングへの興味を一気に引き出します。TETRA UPでは、こうしたロボットプログラミングの楽しさを、専門の講師が丁寧に教える無料体験会を実施しています。お子さまの「やってみたい!」をぜひ体験会で形にしてみてください。
あわせて読みたい

吉田先生やよっしー、たまによしぞーって呼ばれたりしています。よろしくお願いします。